抄録
目的:看護基礎教育における血糖自己測定演習への持続血糖測定機器の活用可能性を検証すること.方法:健常な看護学生17名を対象に,持続血糖測定機器(以下CGM機器)を装着させた.装着後,質問紙調査を実施し,有害事象の有無,CGM機器を装着しての感想などを収集した.結果:有害事象は出血6.3%,かゆみ18.8%,疼痛6.3%であり,重大な問題は発生しなかった.質問項目では操作の理解のしやすさ,興味の引き方,健康関心の高まりなどが高評価を得た.自由記述では患者理解の視点の内容はなかった.結論:有害事象リスクは低く,看護基礎教育の血糖自己測定演習へのCGM機器活用の可能性が示唆された.
【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→血糖測定における看護学生の学習方法の改善と,患者理解を深めるための新しいアプローチを探求しました.臨床で使用される血糖測定機器の教育的活用に着目し,学生の学びを深める方法を模索しました.
2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 持続血糖測定機器(以下CGM)の活用により,看護学生の健康意識や学習意欲を高める可能性を示しました.そのため,より効果的な医療機器の理解と患者指導スキルの向上に寄与できると考えています.
3.今後どのような技術が必要になるのか?
→リアルタイムCGM機器の活用や,学生の共感性を育む教育プログラムの開発,学習効果を客観的に評価する新たな教育手法の確立が必要になると考えています.