看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
ISSN-L : 2188-4323
原著
在宅嚥下体操支援ロボットの導入初期における課題の検討:若年者を対象としたパイロットスタデイ
三重野 愛子山口 多恵辺見 一男橋口 暢子
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 13 巻 p. 168-177

詳細
抄録
 本研究は,嚥下体操ロボットの在宅への導入初期における課題解明を目的に,従来の体操説明書(調査1)とロボット(調査2)による介入を行い,各調査で得られた課題をもとにロボットの在宅への円滑な導入に向けた技術的,運用的方策を探究する.若年者9名(調査1:4名,調査2:5名)に2ヵ月間,自宅での嚥下体操実施を依頼した.介入後半構成的に面接し帰納的に分析した.調査1では【楽しさの欠如】【嚥下体操の必要性の認識】,調査2では【ロボットが円滑に動作しない】【動作を妨げる環境】【ロボットへの嫌悪感】【ロボット操作方法の理解】【嚥下体操の必要性の認識】を特定した.在宅へのロボット導入に向け,操作上の問題を軽減するシステム改良,Wi-Fi 接続性とバッテリー管理の改善の必要性が示された.また,体操の楽しさと意欲維持をもたらす機能の追加が運動継続に対する効果的な支援に寄与する可能性が示唆された.

【キーメッセージ】

1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?

 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?

→ 加齢に伴う嚥下機能低下を予防するため,継続的な嚥下体操を支援する嚥下体操支援ロボットの活用に着目した.本ロボットの在宅導入における実用性を検証するために,まず在宅環境下での技術的・運用的課題を抽出する必要があると考えた.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?

→ 在宅の看護・介護におけるロボットの円滑な導入と効果的な活用に向けて,Wi-Fi 環境やバッテリー管理など確認すべき項目のチェックシートの素案になる.

3.今後どのような技術が必要になるのか?

→ 在宅でのロボットを用いた継続的な嚥下体操実施に向け,体操の楽しさや体操への意欲を維持できる機能の追加が必要になる.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top