看護理工学会誌
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原著
触れる振動刺激が自律神経指標,主観的快適性,および覚醒度に与える影響
山下 哲平佐々木 新介
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2025 年 13 巻 p. 21-30

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抄録
 目的:本研究は,人が人に触れるという行為と機器による低周波振動刺激の併用が,自律神経指標および主観的快適感に及ぼす影響を比較検討することを目的とした.方法:健常成人を対象に,触れない(無刺激),触れるのみ,触れる+振動ありの3条件について,ランダム化クロスオーバー試験を実施した.生理的指標として心拍変動,皮膚電位,呼吸を,主観的指標として快適・覚醒度をvisual analog scale(VAS)で測定した.線形混合効果モデルとボンフェローニ検定を用いて分析し,有意水準を5%未満とした.結果:触れるのみの条件で副交感神経活動を示すstandard deviation 1(SD1)が有意に上昇し,振動併用条件では交感神経の指標standard deviation 2(SD2)/SD1 が低下するとともに,VAS 快適度スコアが有意に低下(スコアが低いほど快適)し,触れるのみの条件と比較しても有意な改善がみられた.結論:触れるケアと低周波振動刺激の併用は副交感神経活動を優位にし,心理的リラクセーションを促進する可能性が示唆された.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→触れるというケアと機器による振動刺激の併用による効果を科学的に検証する必要があると考え,本研究を実施した.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 本研究により,薬物を使用しないリラクセーション手段として,臨床に応用可能な新たな看護アプローチの可能性を示した.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→対象に最適化された周波数・強度の自動調整,プロトコル標準化と小型・簡便化により,改良機器の臨床実装を進める.
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