抄録
女性特有のライフステージに起因する尿失禁は,表面には現れないが,高齢女性の多くに認められ,QOLを損なう重大な問題となっている.失禁に対して,質問票などを用いて調査した日常生活への支障の度合いは重要な指標である一方で,客観的指標,医用画像などによる可視化を通じて,個々の病態に応じた適切な指導法や対策を講じることも重要である.医用画像では,超音波画像は簡便で時間分解能に優れるが,骨盤底の詳細な評価には,会陰部や腔内プローブからの観察が必要となることもある.MR画像は,X線被曝もなく,高い軟部組織コントラストで骨盤底全体の詳細な解剖学的情報を非侵襲的に観察でき,腹圧負荷や骨盤底筋群の収縮時の変化を捉えることも可能である.特に縦型オープンMR装置では,座位で重力のかかった状態をモニターできるので,尿失禁研究において有効な手段となる.今後,看護の研究においても,こうした非侵襲的な医用画像の応用が期待される.