高齢糖尿病患者の血糖自己測定の手技習得には,巧緻性や認知機能低下に伴う困難が生じることが明らかになっており,巧緻性を要さないシンプルな作業で血糖測定を行うことができる血糖測定器が求められる.われわれは高齢者向け血糖測定器に搭載する採血補助機能を開発した.本研究の目的は,高齢者11名を対象に,十分な採血量が得られる最適な穿刺の深さ,圧迫の強さ,圧迫の回数を検討することである.採血補助具を用いて荷重14.7N-5秒間の圧迫を,穿刺部周囲に最大2回行うことで,一般的に測定に必要な血液量0.8μL以上を安定して出血させることが可能であった.採血補助具は新しい血糖自己測定器に搭載する採血補助機能として有用であることが明らかとなった.