看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
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原著
Kinectを用いた離床認識システムの開発
真田 慎岡田 志麻
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2016 年 3 巻 2 号 p. 73-85

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抄録

 認知症患者は夜間徘徊することがあり,事故に遭う危険性が高まる.また,離床の際にベッドの転落事故などから怪我をすることもある.介護者にとっても夜間徘徊の防止のために満足な睡眠がとれなくなるなど,心身に大きな負担がかかる.これらの問題の解決を目指し,本研究ではKinectを用いて容易に設置可能かつ非在床による徘徊の可能性と離床の際の転落の危険性を介護者に通知するシステムの開発を行った.方法は,Kinectをベッドの縁から数m離した位置に設置し,ベッドフレームをKinectから得られる深度値を用いて抽出する.さらに,ベッドフレーム上の深度値変化からベッド上の被験者を認識し,ベッド上での被験者の状態を推定する.ベッドの正確なサイズやベッドとKinectの位置関係をプログラム上で設定することで,ベッド周りの物に影響されずにベッドフレームの抽出が可能であった.また,人物の状態認識として離床と就床,上体起こし,転落危険の状態が認識可能であった.

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© 2016 看護理工学会
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