看護理工学会誌
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原著
高周波超音波診断装置を用いた皮膚イメージングと皮膚内部組織の比較:コラーゲン・エラスチン量とエコー輝度の関係
大貝 和裕松本 勝青木 未来臺 美佐子前馬 宏子打出 喜義須釜 淳子
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2018 年 5 巻 1 号 p. 65-73

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抄録

 背景:高周波超音波診断装置(エコー)は皮膚の非侵襲的イメージングに用いられているが,実組織との関係を検討した知見は少ない.本研究の目的は,エコー画像と実際の皮膚組織に着目し,手術の際に除去される帝王切開痕を用いて比較することである.方法:本研究では,書面によるインフォームドコンセントを得られた12名の妊婦を対象とした.出産前に瘢痕部と周囲皮膚をエコーで撮影した.反復帝王切開時,産科医によって瘢痕組織が採取され,コラーゲン・エラスチン染色に供された.染色画像を用いてコラーゲン量とエラスチン量の定量を行った.結果:瘢痕部は密な構造であったが,低エコーであった.エコー輝度とエラスチン陽性面積に有意な相関が認められたが,コラーゲン陽性面積とは有意な相関は認められなかった.結論:エコー輝度はコラーゲンの量や密度よりはむしろ,エラスチンの量とより相関することが明らかとなった.

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© 2018 看護理工学会
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