1995 年 1 巻 2 号 p. 163-168
石英表面に付着させたカオリナイト粒子の脱離に及ぼす溶離液の pH とイオン強度の影響を、カラム法により測定した。pH 条件によらず、イオン強度が小さい場合にカオリナイト粒子の脱離が観測され、それ以上のイオン強度ではカオリナイト脱離が発生しないという臨界イオン強度が存在することがわかった。石英とカオリナイト粒子の実測あるいは推定した表面電位を用いて計算した電気 2 重層ポテンシャルとファンデルワールスポテンシャルから、石英とカオリナイト粒子の間に作用する全相互作用ポテンシャルを計算した。その結果、実測した臨界イオン強度は全相互作用ポテンシャルのバリアから予測した臨界イオン強度と比較的一致することがわかった。