原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
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論文
石英からのカオリナイト粒子脱離に及ぼす pH とイオン強度の影響
長崎 晋也田中 知鈴木 篤之
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1995 年 1 巻 2 号 p. 163-168

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抄録

  石英表面に付着させたカオリナイト粒子の脱離に及ぼす溶離液の pH とイオン強度の影響を、カラム法により測定した。pH 条件によらず、イオン強度が小さい場合にカオリナイト粒子の脱離が観測され、それ以上のイオン強度ではカオリナイト脱離が発生しないという臨界イオン強度が存在することがわかった。石英とカオリナイト粒子の実測あるいは推定した表面電位を用いて計算した電気 2 重層ポテンシャルとファンデルワールスポテンシャルから、石英とカオリナイト粒子の間に作用する全相互作用ポテンシャルを計算した。その結果、実測した臨界イオン強度は全相互作用ポテンシャルのバリアから予測した臨界イオン強度と比較的一致することがわかった。

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© 1995 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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