原子力バックエンド研究
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論文
地層処分システムにおける微生物の影響について (2)
-微生物の栄養源と透過性について-
吉川 英樹川上 泰福永 栄岡野 誠司藤木 喜市本谷 益良油井 三和朝野 英一
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1995 年 1 巻 2 号 p. 213-230

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抄録

  処分環境下での微生物の生息を検討する上で欠かせないのが微生物のエネルギー源と炭素源である。そこで本研究では、ベントナイトとアスファルトの両者に関し、これらを微生物がエネルギー源、炭素源とする可能性について検討を行った。ベントナイト中に含有する有機物量を定量するとともに、ベントナイト中での微生物の存在、繁殖を実験的に確認した。また、有機固化体であるアスファルトの分画を試料として生息実験を実施した。最後に、圧縮ベントナイト中での微生物の移行経路について知見を得る目的で、カラムを用いた移行実験を実施した。
  ベントナイト中での有機物量について、月布産ベントナイト (クニゲル V1、クニミネ工業 (株)) を試料とし、乾燥ベントナイト中の全有機炭素量 (TOC) 及びフミン酸、フルボ酸の含有量を測定した。その結果、月布産ベントナイト中の TOC は 0.30~0.35 wt %であることが分かった。また、本測定の OH 腐植抽出液の分析の結果、フミン酸量は 0.5~10 ppm であった。一方、地下水中の微生物の増殖の実験から、ベントナイトを加えた場合 2~3 倍の菌数となった。ストレートアスファルトをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分画法で全体を 4 成分に分けた。微生物による易分解成分は、分画した各分画にPseudomonas属の細菌を加え培養したところ、各分画に増殖可能な菌種が確認された。

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© 1995 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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