珪藻土や,それが変成作用により岩石化した珪質岩は,北海道から秋田県,能登半島,隠岐諸島へかけて日本海側に広く分布しており,珪質岩の岩盤中に構造物を建設する際には,その力学特性を把握しておく必要がある.本研究では,北海道天塩郡幌延町の地下深部に分布する珪質岩である稚内層珪質泥岩を用いて,一軸圧縮試験,圧裂引張試験,乾燥収縮試験,時間依存性挙動と強度回復特性を調べる試験を行った.その結果,変形・破壊特性におよぼす水分の影響が大きく,試験室の標準的な環境下で乾燥させるだけで,最大で0.9%程度の軸方向の収縮歪が生じ,強度が2倍程度になることがわかった.時間依存性挙動と強度回復特性に関しては,岩石としては標準的な特性を持っていることがわかった.