2017 年 24 巻 1 号 p. 45-52
放射性廃棄物の地層処分におけるモニタリングでは,計測機器やそのケーブルが人工バリアの工学機能に影響を与えないことが重要である.そのため,情報を無線伝送,電力をバッテリで供給することでケーブルを利用しない地中無線モニタリング技術の研究が行われてきた.しかし,バッテリの寿命のために数十年がモニタリング期間の限界となり処分場の開業から閉鎖まで,あるいは閉鎖後にわたってモニタリングを続けることは困難である.そこで,情報と電力の両方を無線で伝送する無線電力伝送をモニタリングに適用することで,長期間のモニタリングが可能なシステムを提案する.本論文では各種無線電力伝送方式の中からモニタリングに適した方式を選定し,電磁界解析を通して上記のシステムにおける適用可能性を示した.