抄録
症例は61歳男性.57歳時に若年性アルツハイマー病の診断を受け通院中.定期検査の胸部X線写真で両側全肺野にびまん性網状影を認め,経気管支肺生検でサルコイドーシスと診断された.前年の胸部X線では異常を認めず,比較的急性に発症したものと考えられた.脳MRIでは中枢神経系に異常は認めず,本症とアルツハイマー病との合併は偶発的なものと考えられた.自覚症状がなく無治療で経過観察していたが,6ヵ月後に右気胸が出現した.気胸は自然軽快し胸部CTで肺野の病変も改善傾向にあったが,胸膜直下の気腫性変化が出現しており,この破綻が気胸の原因と考えられた.サルコイドーシスに気胸を合併することは稀であるが,CTの経過観察から胸膜直下のブレブ形成が気胸の原因と推定された.