原子力バックエンド研究
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ISSN-L : 1343-4446
研究論文
放射性廃棄物管理全般的観点からのDUPIC燃料サイクルの解析
姜 政敏鈴木 篤之
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1997 年 4 巻 1 号 p. 19-27

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抄録

  DUPIC (Direct Use of spent PWR fuel In CANDU) 核燃料サイクル (以下DUPIC) は、ワンススルー核燃料サイクルの対案として90年代初頭に韓国から提案された新しい核燃料サイクルである。DUPICはPWR使用済燃料からプルトニウムを分離することなく直接再成形加工して、それをCANDU炉で新燃料として再利用する軽水炉・重水炉連係核燃料サイクルである。それによって、所要天然ウラン量を減少させられるばかりではなく、使用済み燃料の量を減らすことができる。本研究では、DUPIC燃料製造工程、2次廃棄物量、物質流量、DUPIC使用済み燃料の線源強度、長期毒性などの崩壊特性、ウラン資源節約および環境への影響の減少などをワンススルーと比較し評価を行った。なお、2030年までの韓国の原子力発電設備容量を予測して、いくつかのシナリオのDUPICサイクルを適用した場合、天然ウラン所要量、使用済み燃料の発生量などのサイクル諸量について、適用しない場合と比較評価を行った。そして、DUPICサイクルの物質バランスの観点から韓国の最適サイクル戦略を提案した。

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© 1997 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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