スウェーデンでは,高レベル廃棄物処分に関する新たな技術開発を行うと共に,これまで開発してきた試験調査手法を実規模で適用・検証することによって処分候補地点の調査,安全性の評価に役立てるため,地下研究施設をスウェーデン南部のエスポ島で運用中である.エスポ地下研究施設では1995年からは操業期と位置づけられ,地下研究施設内で様々な原位置試験が実施もしくは計画中である.本報では建設期から操業期にかけて実施もしくは計画されている原位置試験の概要を紹介するとともに,特に地下水流動の場としての地質・地質構造の調査・評価の観点から,1990年から始まったトンネル建設時に実施された各種データの取得に関する調査,および地下水流動や核種移動を評価する際の基本となる割れ目評価に関する調査事例を紹介する.