1999 年 5 巻 2 号 p. 37-42
本研究は,低アルカリ性セメントペーストを浸漬した液相のpH測定結果とpH発現メカニズムについて報告している.
低アルカリ性セメントは,3CaO・3Al2O3・CaSO4を含むクリンカー,セッコウと高炉スラグを混合して作製した.水和したセメントペーストの溶解度に対する高炉スラグの影響を検討した.水和セメントペーストを66週間浸漬した液相のpHは,10.4から12.3であった.水和セメントペーストの水和物組成をセメントの化学組成から評価した.測定した液相のpHは,評価された水和セメントの化学組成とカルシウムシリケート水和物 (C-S-Hゲル) の溶解特性から評価したpHと比較した.測定したpHは,評価したpHの値とよく一致することが確認された.