日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
当院で行った痤瘡に対する ケミカルピーリングの臨床経験165例の検討
関口 知佐子千見寺 ひろみ戸佐 眞弓
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2017 年 34 巻 3 号 p. 355-360

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抄録

 当院では2000年より一般的な治療に反応しない痤瘡に対しケミカルピーリングを積極的に行ってきた.ケミカルピーリングを施行した231例のうち痤瘡患者は184例で,グリコール酸,サリチル酸によるケミカルピーリングを施行した.そのうち継続施術した165例中57例が著効,81例が有効と判定し,合わせて約84%に効果が認められた.18例に紅斑,乾燥などの副作用が認められたが,その中の半数以上は継続できた.疾患の改善だけでなく,質感の改善などの付加価値もあり,患者の満足度も高く,治療を継続することを希望される患者が多かった.その中でも印象に残る著効例を提示し,長期間の臨床経験から得たケミカルピーリングの有用性,安全性について強調したい.

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© 2017 日本臨床皮膚科医会
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