日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
レセプト調査および患者アンケート調査に基づく爪白癬治療の実態把握
佐藤 友隆原田 和俊
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2017 年 34 巻 6 号 p. 742-752

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抄録

目的:外用抗真菌薬のアドヒアランスと治療継続状況を把握するために,爪白癬のレセプト調査および患者アンケート調査を実施した.
方法:レセプトデータを用いて経口抗真菌薬および外用爪白癬治療薬の治療継続率を調査した.また,インターネットアンケートにより爪白癬治療の実態と患者意識を調査した.
結果および考察:爪白癬のレセプト調査および患者アンケート調査から,経口薬は外用薬よりも治療継続率が高い傾向が伺われた.治療満足度は総じて高く,治療効果については経口薬に,副作用の少なさについては外用薬において,より満足度が高い傾向が見受けられ,治療の期間について外用薬に対する満足度が低い傾向がみられた.治療結果に関する患者アンケート調査では,医師が治癒したと判定した割合は経口薬でより高い傾向があり,一方,患者自己判断による治癒前の中断は外用薬で高い傾向がみられた.治療を中断した患者の半数近くが後悔しており,その割合は経口薬よりも外用薬で高い傾向にあった.治療を中断した理由は,多忙ゆえの通院の困難さが最多であったが,効果に対する不満や治療期間の長さも上位を占めた.治療継続には患者自身が効果を実感すること,治療ゴールや治療にかかる期間,薬剤の使用方法についての医師からの説明が必要なことが明らかにされた.

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© 2017 日本臨床皮膚科医会
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