日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
当院の乾癬患者におけるカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬の使用状況について
三津山 信治樋口 哲也
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2018 年 35 巻 3 号 p. 482-487

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抄録

 当院におけるカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬(以下,配合外用薬)の使用状況について,2014年10月から2016年4月までの18ヶ月間の使用状況をレトロスペクティブに解析した.対象患者は,乾癬患者125例(男性96例,女性29例),平均年齢57.8歳(21~90歳).乾癬患者の病型は尋常性乾癬114例(91%),関節症性乾癬8例(6%),滴状乾癬2例(2%),乾癬性紅皮症1例(1%)であった.配合外用薬使用時の併用療法は,生物学的製剤7例(6%),ナローバンド UVB療法14例(11%),ナローバンド UVB療法とエトレチナートの併用7例(5%),シクロスポリン10例(8%),外用療法単独が85例(68%)であった.配合外用薬の継続状況は,配合外用薬を継続できているのは100例(80%)に対し,配合外用例を中止し前外用薬を継続している例が25例(20%)みられた.配合外用薬の主な中止理由は,前外用薬の方が効果が高かったという理由であり,前外用薬の大部分は,活性型ビタミンD3外用薬とステロイド外用薬を混合調剤した混合外用薬であった.配合外用薬を中止した症例の臨床的特徴は,外用療法以外の併用療法は行っていない外用治療単独が23例と最も多くみられ,皮疹の特徴としては,背部や下腿の厚い鱗屑や強い浸潤を伴う紅斑が多く認められた.

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