日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
臍部に限局し固定薬疹を疑った水疱性類天疱瘡の1例
大田 美智江原 佳恵西本 周平畑 康樹
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2018 年 35 巻 4 号 p. 610-614

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抄録

66歳女.初診5カ月前より臍部左側に搔痒を伴う皮疹が出現した.翌月に近医を受診し抗菌薬内服をするも軽快せず,当科を紹介受診した.臍左側に小豆大の緊満性水疱を1つ認め搔痒を伴っていた.既往なく頓用薬やサプリメント,DPP-4阻害薬を含めた内服歴はなかったが,臨床所見から固定薬疹を疑ったものの,水疱を繰り返す経過から水疱性類天疱瘡も疑い精査した.血液検査で好酸球の増多と抗BP180抗体陽性を認め,組織学的所見では表皮下に水疱を形成し水疱内と真皮内に好酸球が浸潤,蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgG,C3が線状に沈着していた.以上の結果より臍部に限局した限局性類天疱瘡と診断した.ステロイド軟膏外用,テトラサイクリンとニコチン酸アミドの内服で軽快傾向である.手掌・足底に限局する汗疱状類天疱瘡は全身へ拡大する例が多くある.その他の部位に発症した限局性類天疱瘡は局所にとどまる報告がほとんどであるが,注意深く経過観察している.

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