日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
自然消退した顔面の扁平苔癬様角化症の2例のダーモスコピー構造の検討
佐藤 俊次渡邉 荘子田中 勝
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2020 年 37 巻 5 号 p. 655-661

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抄録

 扁平苔癬様角化症(LPLK)は,脂漏性角化症や日光黒子の一部または全部が経時的に自然消退する過程の病態である.  今回われわれは顔面の病変が完全に自然消退した2例のLPLKを報告し,そのダーモスコピー所見とLPLKの自然消退の3段階分類のダーモスコピー構造とを比較検討した.初診時に症例1では炎症症状を示す淡紅色領域(pinkish area)と環状顆粒状構造(annular granular structures)が,症例2では環状顆粒状構造が観察され,両病変ともにLPLKの自然消退のダーモスコピー分類の初期に相当した.その後,症例2では時間経過とともにダーモスコピー所見が変化し後期の所見である青灰色色素小点(blue-gray fine dots)の構造が観察された.症例1は2年6か月,症例2は4年4か月後に病変は完全に消失した.2症例ともに,同じ初期のステージの病変であるが,ダーモスコピー所見は異なっていた.LPLKの自然消退の初期は,炎症症状を示す淡紅色無構造領域からはじまり,やがて,環状顆粒状構造が観察される.LPLKのダーモスコピー所見は,経時的に変化するため,時期によっては,悪性腫瘍との鑑別が困難となり生検が必要となる.LPLKの自然消退のステージ分類の初期に相当する典型的な環状顆粒状構造や後期に相当する微細な青灰色色素小点などが病変全体に観察される病変では,悪性腫瘍を除外できれば,生検せずに定期的経過観察により,自然消退を確認できると思われた.

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