日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
論文
2色(青色,赤色)light-emitting diodesの同時照射が奏功した酒皶の5例
義澤 雄介
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 40 巻 2 号 p. 159-164

詳細
抄録
 酒皶は一般的によく経験する疾患であるが,治療抵抗性で再発を来しやすく治療に苦慮する.本邦ではメトロニダゾール外用薬が保険適用になったが,紅斑毛細血管拡張型酒皶(ETR)に対する有効性のエビデンスはない.また,妊婦や授乳中の患者には使いづらく,接触皮膚炎などの副作用もありこれらの理由でメトロニダゾールが使用できない場合が想定される.光線力学療法は酒皶治療においてエビデンスが確立されつつあるが,この治療経験がない医師にとっては難しい.一方,過去に丘疹膿疱型酒皶(PPR)2例に対してLED単純照射(LED治療)が有効だった報告がある.今のところこの報告に追随したLED治療の報告はないため,本稿では5例の酒皶患者(ETR1例,PPR4例)にLED照射治療を行った.週1回の頻度,照射時間10分の設定で青色と赤色のLEDを8〜12週間,同時照射した.治療後は5例とも紅斑や丘疹・膿疱の皮疹スコアの改善が認められた.LED治療は安全で容認されやすく,妊娠中や授乳中の患者に行う事もできるため,将来的に酒皶治療の一手段となってゆく可能性がある.
著者関連情報
© 2023 日本臨床皮膚科医会
前の記事 次の記事
feedback
Top