日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
サウナ内で意識消失し,足趾切断術を要した全身熱傷の1例
辻 雄介延山 嘉眞福地 修梅垣 知子石崎 純子石氏 陽三朝比奈 昭彦
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2024 年 41 巻 5 号 p. 764-768

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抄録
7X歳,男性.既往歴なし.サウナ内で座位のまま意識消失している状態で発見された.意識障害および熱痙攣,並びに,体表面積71%のI度および11%のII度熱傷と診断した.入院後,14日目には全身状態は回復したが,その後,足趾の壊疽が次第に進行し,右第1〜2趾と左第1〜5趾の切断術,両側膝蓋部に骨膜縫合術と人工真皮植皮術,右大腿部に陰圧閉鎖療法,右膝蓋部に分層植皮術を施行した.サウナ内で発生した熱傷の本邦報告例は自験例を含め15例で,足趾の切断に至ったのは自験例のみであった.足趾の切断に至った原因は,鼻と耳介にIII度熱傷を伴っていたことから意識消失していた時間が通常の熱傷の症例より長かった可能性が高く,かつ,高温の床に接して両足で体重を支える座位を保持していたことから阻血の機序が助長されたことによると考えた.サウナという特殊な環境下でおきる皮膚障害について,啓発していく必要がある.
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© 2024 日本臨床皮膚科医会
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