日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
論文
吸湿発熱繊維肌着による接触皮膚炎の1例
山東 優
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 43 巻 3 号 p. 435-440

詳細
抄録
 26歳,女性.吸湿発熱繊維肌着(以下,肌着A)を着用し接触皮膚炎を発症した.パッチテスト(以下,PT)にて,肌着Aに陽性反応を示した.同時にパッチテストパネル®(S)(佐藤製薬)も貼付したが,全て陰性であった.原因を特定するため,独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下,NITE)へ肌着Aの成分分析と各成分のPT製剤作成を依頼した.その製剤PTにて帯電防止剤と推定される成分に陽性を示し,原因物質と特定した.確定的な成分名の同定には至らなかったが,洗濯により溶出する成分と考えられ,同様の製品は必ず洗濯後に着用するように指導し,その後皮膚炎の再燃再発はみられない.日常生活用品での接触皮膚炎が生じた場合は原因特定のため製品PTをまず行い,更に成分PTを行うことで詳細な原因特定へとつながる.成分PTに関しては,製品販売元へ成分提示の要請依頼やNITEの協力が必要となる.
著者関連情報
© 2026 日本臨床皮膚科医会
前の記事 次の記事
feedback
Top