顎下腺からの糖蛋白と唾液分泌に対する各8mg/kg (i. P.) methoxamine (MET), phenylephrine (PHE), metaraminol (MTA), naphazoline (NAP), oxymetazoline (OXY) およびclomdine (CLO) の6種のα作働薬の影響について麻酔ラットを用いて研究した。唾液分泌は, METで投与後5-10分, その他の作働薬で投与後0-5分でみられた。唾液分泌のpotencyは, PHE>MET>MTA≫NAP=CLO=OXYの順であった。MET, PHEおよびMTA分泌唾液の蛋白濃度は, NAP, OXYおよびCLO分泌唾液より明らかに高かった。顎下腺唾液の糖蛋白泳動像は, 6種の作働薬とも腺房に特徴的に含まれたGP I (130KDa) およびGP IV (21.5KDa) の2本のBandと顆粒管に特徴的に含まれたGP III (31KDa) のBandを示したが, MET, PHE, MTA, NAP, OXYおよびCLO分泌唾液の糖蛋白Band IIIの全糖蛋白に占める相対量は, それぞれ63.5±4.4, 43.2±2.4, 27.9±5.3, 11.8±0.6, 24.9±4.0および17.5±0.8%であった。以上の成績は, 唾液分泌に関連するアドレナリン性α-受容体は主にα
1-サブタイプであり, MET, PHEおよびMTAは主に顆粒管に, NAP, OXYおよびCLOは腺房と顆粒管に作用することを示唆する。
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