日本視能訓練士協会誌
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一般講演
オルソケラトロジーと0.01%低濃度アトロピン点眼液による近視進行抑制効果の検討
堀場 純希西田 知也忠岡 景雅荻 瑳彩磯谷 尚輝小島 隆司吉田 陽子中村 友昭
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2023 年 53 巻 p. 21-26

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抄録

【目的】オルソケラトロジー使用者(OK群)または0.01%低濃度アトロピン点眼液(AT群)の近視進行抑制効果について後ろ向きに比較検討する。

【対象と方法】対象は、OKまたはATを開始時の年齢が7~15歳、眼軸長が23.5 mm~26.5 mmであり、治療後2年間以上経過を追えた症例を対象とした。結果としてOK群15名15眼、AT群14名14眼が選択された。3ヶ月目での眼軸長をベースラインとし、6ヶ月の間隔で各群の合計2年間の眼軸長変化量を比較検討した。右眼のみを検討対象としている。

【結果】OK群とAT群の治療開始前の眼軸長と年齢は、それぞれ24.73±0.5 mm、24.65±0.6 mm、10.27±2.3歳、10.86±2.2歳であり有意な差は認められなかった(p=0.230, p=0.466)。OK群とAT群の6ヶ月目での眼軸長変化量は、それぞれ0.11±0.08 mm、0.14±0.16 mm (p=0.615)、1年目では、それぞれ0.20±0.09 mm、0.34±0.25 mm (p=0.121)、1年半では、それぞれ0.27±0.12 mm、0.46±0.34 mm (p=0.081)であり、有意な差は認められなかった。2年目の眼軸長変化量はOK群(0.30±0.12 mm)よりもAT群(0.57±0.36 mm)のほうが、有意に大きかった。(p=0.046)

【結論】OKはATよりも近視進行抑制効果が高い可能性が示唆された。

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