2023 年 53 巻 p. 65-70
【目的】日本と米国の視能矯正学専門雑誌の論文著者における性別構成の状況を調査した。
【方法】日本視能訓練士協会誌(日視会誌)、American Orthoptic Journal(AOJ)の両誌を調査対象雑誌とした。日視会誌の論文著者情報は医中誌Webから、AOJについてはPubMedから収集した。分析対象は、1991年から2020年までに掲載された論文とした。AOJの論文著者の性別判定には、性別識別ソフトとインターネット検索を併用した。
【結果】日視会誌の対象論文922件であり、女性著者の割合は筆頭著者が68.0%、最終著者が35.8%であった。経年的推移をみると、女性割合は筆頭著者、最終著者ともに90年代に60%~80%であったが、その後は低下傾向が著しく、2010年代後半には筆頭著者が約58%、最終著者が16%となった。一方、AOJの対象論文は940件、女性割合は筆頭著者が48.3%、最終著者が32.4%であり、経年的推移はなかった。日視会誌とAOJの女性割合を比較すると、筆頭著者では日視会誌がAOJよりも高く、最終著者では差異はなかった。
【結論】筆頭著者において、日視会誌では女性が占める割合が多く、AOJでは性別格差はなかった。他方、最終著者は両誌ともに女性の占める割合は少なかった。日誌会誌において、男女間の格差は経年とともに著しい変化を示した。