日本視能訓練士協会誌
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遠視性不同視弱視と斜視
福井 由紀清水 小百合
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1994 年 22 巻 p. 87-90

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抄録

遠視性不同視弱視は一般に斜視のないものとされているが,斜視を伴う症例についての報告も少なくない.そこで今回,対象を斜視の有無を問わず,左右差2.0D以上の遠視性不同視を伴う4~10歳の弱視患者に限定して,遠視性不同視と斜視および弱視の関係を屈折の面から検討した.
その結果,27名中20名は斜視がなく純粋な遠視性不同視弱視であった.この弱視の主因は眼軸の後部分節が短い発育異常によるものと考えられる.残りの7名中5名は内斜視,2名は間歇性外斜視であった.健眼と弱視眼の屈折分布では,斜視のあるものとないものとの間に違いがあった.遠視性不同視弱視は原則として斜視はなく,斜視を合併したものについては,それが斜視弱視・不同視弱視あるいは両者の複合であるのか,症例ごとの検討が必要であると思われた.

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