日本視能訓練士協会誌
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乳幼児の視力検査における左右差の検出率について
調 廣子森 由美子須田 和代関谷 善文山本 節
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1994 年 22 巻 p. 91-94

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抄録

乳幼児期から視力の経過を追えた各種眼疾患をもつ65例の視力の左右差について検出した視力検査,時期,眼疾患別,また検出時の眼所見との対応を調べた.PL法では65例中41例63.1%と過半数を占める症例が左右差を検出された.器質的疾患の症例では1例を除いて全例PL法にて左右差が検出された.一方,機能的弱視の中で不同視のみを有する症例に対してはPL法により検出された症例はなかった.検出時の他覚的所見と視力検査の結果では一致していたのがPL法では27例65.9%と他の方法より少ない傾向にあった.乳幼児時期の視機能評価は各々の検査により的確な評価ができるものと再確認したが,視能訓練の適用は他覚的評価もあわせた十分な経過観察のもとで考慮すべきと考えた.

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