日本視能訓練士協会誌
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シンポジウム「弱視治療の実際と問題点」 屈折異常弱視
丹治 弘子
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1998 年 26 巻 p. 91-97

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抄録
屈折異常弱視は,視覚の発達期に両眼に存在するある程度以上の屈折異常が,未矯正のまま放置されたためにおこる両眼の弱視と定義される。弱視をおこす種類としては,遠視,遠視性乱視,混合乱視が主で,成因は黄斑部への焦点の合わない結像による広義の視性刺激遮断と考えられ,その予防や治療には屈折矯正が不可欠である。今回は,屈折異常弱視治療の実際と問題点について述べた。
1.屈折異常弱視の診断
器質的疾病の否定とともに,原因となる屈折異常の検出が不可欠である。
2.屈折検査
基本的には硫酸アトロピン点眼にて行う。
3.屈折矯正
ある程度視力が向上するまでは完全矯正,その後,度の軽減を図る。
4.経過観察上の問題点
視力向上が不良のときは,眼鏡装用状況,屈折矯正の適正,他疾患の有無の確認をする。
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