1953 年 2 巻 6 号 p. 232-235
工業的に柔魚油の低温エステル基交換が効果的に行われ得るような反応条件を検討した。筆者の行つた実験範囲ではナトリウムメチラート触媒の場合, 空気中で単に触媒を添加した柔魚油を10℃に静置するのみで, 触媒量0.5%使用, 80hrs.で曇点35.0℃ (反応率77.2%) に達した。10℃静置反応油のS-S-S Mol%xは曇点T°Kの上昇と共に増大しxとTの間に
logx=12.35-3427.14/T
の興味ある関係式が成立した。この式を物理化学的に考察しRaoultの法則に極めて類似していることを示し得たが, その完全な適応性の断定は曇点そのものの検討後に保留した。