1979 年 28 巻 1 号 p. 14-19
粉末状金属ヨウ化物 (固相) と1-プロモオクタンのベンゼン溶液 (液相) 間のハロゲン交換反応における, ポリスチレンに不溶化したポリエチレングリコールモノメチルエーテル (オキシエチレン (EO) 単位, 3, 6, 8) (固相) の三相間移動触媒作用を検討した。
反応速度は, 1-プロモオクタン濃度に一次依存した。さらにその速度は, ポリマーに担持したポリオキシエチレン (POE) のEO単位数, 用いたヨウ化物の金属イオンの種類, 及びPOE樹脂触媒の量に依存する。ヨウ化ナトリウムは, 1-ブロモオクタンといずれの金属ヨウ化物よりも速く反応し, 水が存在するとその反応速度は著しく低下した。ヨウ化カリウムを用いた場合には, 水系非水系のいずれの場合にもその速度に大きな差は認められなかった。反応速度に及ぼす, POEの環置換の度合も検討された。POE樹脂触媒のカチオン捕捉作用と両親媒性を論じた。