油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
ヨウ化マンガン (II), ヨウ化マグネシウム, 及びヨード酢酸の存在下におけるサフラワー油の加熱反応
重合生成物の比較
椎名久子
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1982 年 31 巻 7 号 p. 421-426

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抄録
ヨウ化マンガン (II) の存在下でサフラワー油の加熱反応を行った。反応条件は, ヨウ化マンガンの濃度0.26mol/kg, 温度220℃, 時間0.5h, 1h, 2h, 3h, 及び4hであった。各時間ごとの加熱反応生成物中から得た重合物はメチルエステルとした後減圧蒸留を行い蒸留物と蒸留残分に分別した。各蒸留残分はGPC分析を行った。その結果, 蒸留残分中には, 二量体から六量体及び七量体以上のオリゴマーが生成してることがわかった。蒸留残分 (0.5h, 1h及び3h) は分取GPCを行った。
二量体画分のMS分析及びNMR分析の結果から, 主成分は分子量588で, シクロヘキセン環をもつ二量体であることを確認した。一方ヨウ化マグネシウムとヨード酢酸を触媒として用いたサフラワー油の加熱反応によって得られた蒸留残分は主として二量体が生成し, 三量体以上の生成量は少なかった。これら二量体の構造はベンゼン環をもつものが主成分であることを明らかにした。
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