マレイシアパーム油の物理精製工程から出る廃白土から回収されるパーム油の糖脂質の定量分析を行った。回収パーム油の糖脂質含量は3.8%であり,パーム原油の糖脂質含量の10倍以上であった。また糖脂質の廃白土に対する回収率は0.86%であった。糖脂質の種類としては,アシルステロールグリコシド(ESG),モノガラクトシルジグリセリド,セレブロシド,ステロールグリコシド(SG),ジガラクトシルジグリセリド,さらに,モノガラクトシルモノグリセリドの存在が推定された。
糖脂質組成はパーム原油のそれとほぼ同じであった。
各糖脂質の脂肪酸組成では,飽和酸ではパルミチン酸が,また不飽和酸ではオレイン酸が主なものであった。
ESGとSGの4-デスメチルステロール組成は,シトステロール,カンペステロール,スチグマステロールコレステロール,7-スチグマステノール,アベナステロールの順であった。