2021 年 14 巻 1 号 p. 59-64
近年,スマートフォンに代表される高周波数帯の通信機器の普及が進み,同周波数帯を利用する地上の防衛設備(レーダーなど)も増加傾向にある.このような背景から,現在市場で流通している電気機器が電子ノイズによる予期せぬ不要動作を起こす恐れがある.そこで本研究では,電気という重要なライフラインの安全利用に寄与する国内・外製の10種類の漏電遮断器を対象とした放射イミュニティ試験を3m法電波暗室中で行った.その結果,一部の漏電遮断器で本来はJIS規格外の周波数及び電界強度の領域ではあるが不要動作を確認した.そのため,電界軽減対策例を検討し試験を行った.試験結果により,漏電遮断器が規格外の周波数や強い電界を受ける環境下では,鉄箱に納めて外部からの電界を受ける面をメッシュ材にするなどの対策を施すことで電界を軽減する効果があることを確認した.