2021 年 14 巻 1 号 p. 65-71
メカトロニクス機器等の動作に影響を及ぼす可能性のある電磁波ノイズ源の一つである静電気放電について,帯電物体が接地体に接近しながら静電気放電が発生する場合の火花長,放電電流,過渡電界を測定した.接近速度が速くなると火花長が短くなる傾向を確認した.また火花長が短くなると,放電電流ピーク値は大きく,立ち上がり時間は短くなる傾向を確認した.静電気放電に伴って発生する過渡電界を測定し,火花長が短くなると電界の時間変化は急峻となり,振幅スペクトルは強くなる傾向となった.今回の実験での放電発生源から138mm離れた箇所における電界時間微分の最大値は,放電電流ピーク値,放電電流の時間微分の最大値及び放電電流の時間二階微分の最大値と相関性が認められ,準静電界が優位と考えられた.