2021 年 14 巻 2 号 p. 189-193
安全は主に現場の問題として捉えられていた時代から,経営と現場の総合力を問われる問題へと変わってきた.さらに,安全の為の活動は事故の経験に基づく再発防止の手法から,安全目標を設定しその目標達成のためのリスクマネジメントを用いるという未然防止への方法と変わってきている.日本学術会議の工学システムに関する安全・安心・リスク検討分科会では,工学システムに関する社会安全目標に関して6年間議論を重ね提言を行っている.本論ではこの提言を労働安全も含む一般安全への新たな対応の考え方として整理する.