労働安全衛生研究
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調査報告
火災・爆発防止のための化学物質リスクアセスメントにおけるヒューマンエラーの考え方と評価手順の提案
高橋 明子 島田 行恭佐藤 嘉彦
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2021 年 14 巻 2 号 p. 169-176

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抄録

化学物質を扱う産業分野でのヒューマンエラーによる災害が報告されている.化学物質を対象としたリスクアセスメントは法令により義務化されたが,その実施方法にはヒューマンエラーの観点が十分に反映されていない.また,産業現場ではヒューマンエラーを考慮したリスクアセスメント手法が複数提案されているが,これらを化学物質リスクアセスメントに適用するにはヒューマンエラーの特定方法やリスクの評価方法の妥当性,リスクアセスメントへの適用方法の点で検討の余地がある.そこで,本研究では,労働安全衛生研究所が2016年に提案したプロセス災害(火災・爆発等)防止のリスクアセスメント手法にヒューマンエラーの観点を取り入れる方法を検討し,化学物質リスクアセスメントにおけるヒューマンエラーの考え方と,ヒューマンエラーをうっかりミスと意図的なルール違反に分けて評価する手順を提案した.今後は本評価手順の作業現場への適用可能性について,実証的な検討が必要である.

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© 2021 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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