労働安全衛生研究
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原著論文
2018年に発生した感電死亡災害と防止策の検討
市川 紀充
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2023 年 16 巻 2 号 p. 109-115

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抄録

作業者が電圧のかかった充電部に触れると,人体を通って電流が流れ,感電災害を引き起こすことがある.感電災害は1 mA程度の電流が人体を通って流れるとシビレを感じ,50 mA程度の電流が流れ続けると心室細動を引き起こして作業者が死亡する可能性が出てくる.この感電災害は地球上で考えると,相当多くの感電死亡災害が発生している可能性があり,日本だけでなくアメリカなど国外で発生する感電死亡災害の防止に役立てられる感電災害の防止の基礎を提供する必要がある.感電災害の防止に関する研究は,これまでに国内外で研究が行われていたが,近年発生する感電災害の調査研究はそれほど多くない.本研究では,2018年に発生した感電死亡災害の事例から,その原因と防止対策に関して検討を行い,今後発生する可能性のある感電死亡災害をゼロ件に近づけるための検討結果を報告する.本研究成果が日本だけでなく,アメリカなど国外で発生する感電死亡災害の防止に役立つことを期待したい.

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© 2023 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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