抄録
明かり掘削作業における掘削面の勾配と高さの基準である労働安全衛生規則第356条および第357条では,掘削面について奥行きが2メートル以上の水平な段があるときは,当該段より区切られるそれぞれの掘削面にこれらの規則が適用される.すなわち,2m以上の水平面(小段)を設けることにより下方や上方の斜面を分離して考えることができることを意味している.本報では,まず小段設置に関する国内の代表的な機関で用いられている規則や設計基準について例示する.次に,小段の幅を変化させた剛塑性有限要素解析から,小段の幅が斜面の安定性や崩壊形状に与える影響について検討を行った.