労働安全衛生研究
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コロナ放電と火花放電による接地線の電流の比較
冨田 一
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2011 年 4 巻 2 号 p. 79-83

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抄録

粉体の貯槽,集じん工程に用いられるサイロやダクト内部では粉体の摩擦等に伴って静電気の発生と帯電が起こっている.本研究では,帯電導体あるいは誘導帯電した導体からの静電気放電を着火源とした粉じん爆発災害防止のために,サイロやダクトなどの金属筐体内で発生する導体からの静電気放電を,着火危険性の小さい初期の段階で検知するために,ダクトに接続された接地線に流れる電流を観測した.その結果,着火性の低いコロナ放電を接地電流から検知できることが確認された.また,接地電流の立ち上がり時間,あるいは周波数を分析した結果,火花放電による接地電流の立ち上がり時間はコロナ放電によるそれに比較して高速であり,火花放電による接地電流の周波数はコロナ放電によるそれに比較して高周波であったことから,接地電流の立ち上がり時間,あるいは周波数を評価することによって,コロナ放電と火花放電を識別できる可能性のあることが確認された.

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© 2011 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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