2021 年 41 巻 1 号 p. 34-38
当院では2015年から千葉県千葉市・市原市の小・中学生を対象に上腕骨小頭離断整骨軟骨炎の早期発見を目的とした野球肘検診を実施している.4年間で3,574名の検診を行ない,結果をまとめたので報告する.上腕骨小頭に不整を認めた割合は小学生1.7%,中学生2.7%であり,二次検診率は小学生38.8%,中学生23.8%であった.肘・肩痛の既往,関節可動域制限・柔軟性低下の陽性率を小・中学生で比較すると,肘関節屈伸可動域を除く全ての項目で,中学生の方が陽性である割合が高かった(p<0.05).二次検診受診率の向上や,障害予防のために,積極的な啓蒙活動やストレッチング指導を引き続き行なう必要がある.