2023 年 43 巻 2 号 p. 34-39
目的:内側開大式高位脛骨骨切り術のアライメント変化による膝関節動態への影響を筋骨格コンピュータシミュレーションで検討した.
方法:下肢アライメントにおける荷重軸(WBL)62.5%を基準に40%から80%に外反させたモデル,WBL62.5%に一定化させ脛骨内方傾斜(MPTA)だけ90°から97°に変化させたモデル,脛骨後方傾斜(PTS)を標準7°から12°まで増加させたモデルをそれぞれ作成して解析を行った.
結果:WBL60%以上で荷重が内側から外側に移動したが,WBL80%の過矯正で大腿骨内側顆と脛骨内側顆間隆起の衝突を生じた.一方MPTA95°以上で外側から内側荷重優位に転じ,PTS増加による関節靱帯緊張の不均衡から生理的膝関節回旋運動が減じることがコンピュータシミュレーションで解明した.