2023 年 43 巻 2 号 p. 70-75
われわれは,従来のHERTに水平外転を加えたHERT変法を考案し,腱板を大結節と関節窩との間に,より強く広範囲に接触させた状態での疼痛を評価できると報告した.今回,HERT変法における危険因子を検討した.対象は,平成29年3月から令和3年3月に,肩痛で来院したオーバーヘッドスポーツ選手で,骨端線離開がなく,HERT変法陽性の52例中,陰性まで経過を追えた28例.HERT変法における水平外転角度・Horizontal flexion test・Combined Abduction Test・肩90°外転位での内旋角度(2nd IR)を評価,測定し,罹患期間,陰性化までの期間を含め,比較検討した.陰性化までの期間は,2nd IRと負の相関(p<0.05),陰性時の水平外転角度は,罹患期間と負の相関がみられた(p<0.05).肩関節周囲の柔軟性低下は,HERT変法を陽性化させる要因の一つである可能性が示唆された.