作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
日中の活動が慢性疼痛の日内変動に及ぼす影響
─右腕神経叢損傷後疼痛を有する1症例での検討─
田中 陽一大住 倫弘佐藤 剛介森岡 周
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 38 巻 1 号 p. 117-122

詳細
抄録
地域在住の慢性疼痛症例に対し,疼痛強度の日内変動と日々の心理状態・身体活動量の調査を行った.症例は事故により右腕神経叢を損傷し,受傷以降右上肢に自発痛を有していた.14日間の調査の結果,疼痛の日内変動と身体活動量との関連では,低強度活動(家事や歩行などの立位を含む運動)が多いと疼痛強度が低下し,低強度活動が少ないと疼痛強度が増加する傾向が確認された.今回の低強度活動は,症例が日々の生活において重要度が高いと判断した「散歩」や「デイサービスの利用」などであることから,本人が重要と感じ,かつ低強度の運動時間を維持できる活動を行うことが,疼痛強度の低下に寄与したのではないかと考えられる.
著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事
feedback
Top