作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
フォーカルジストニアの軟部組織に対するアプローチの実践
田邉 浩文生田 宗博三川 年正近藤 昭彦
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キーワード: 筋緊張, 音楽, , 筋電図, 運動障害
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2019 年 38 巻 4 号 p. 505-510

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抄録
音楽家にみられるフォーカルジストニアは,演奏中に現れる不随意運動であり,音楽家としてのキャリアを終了させることもある.フォーカルジストニアの病態生理に関する先行研究から,フォーカルジストニアの症状出現は,筋緊張異常や軟部組織の短縮に起因する異常な感覚入力により,大脳皮質の抑制系の活動減少を来すことが主因と仮説を立てた.本報告では,1名のフォーカルジストニア患者に対して6ヵ月間,外来で定期的に異常な軟部組織に対する治療介入と,セルフメンテナンスの実践に関するモニタリングを面接で行った結果,フォーカルジストニアの症状が改善するとともに筋緊張異常が減弱し,演奏に大きな支障を来さないまでに回復する結果が得られた.
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© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
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