急性期脳卒中患者に対して,上肢課題指向型訓練(shapingとtask practiceの各アプローチ)を,通常のOT(主担当OT)と病棟配置OTで分担して実施した.病棟配置OTは病室の実際の生活環境にてtask practiceを行い,主担当OTは訓練室にて麻痺手に不足している関節運動を含んだshapingを集中的に実施した.再評価で,上肢機能の改善および日常生活における麻痺手の使用頻度の向上を認めた.本報告は,主担当OTと病棟配置OTで適切な役割を担うことで,症例の実際の生活環境における麻痺手の問題点が明確となった可能性がある.さらに,訓練室における訓練効果が,実際の生活環境に効率的に反映される可能性が示唆された.