作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
Vocational Cognitive Ability Training by Jcoresにより認知機能,発散的思考,日常生活が改善した症例
中村 泰久島田 慧人穴水 幸子三村 將
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2020 年 39 巻 3 号 p. 365-371

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抄録

統合失調症の認知機能障害に対しCognitive Remediation Therapy(CRT)の効果が報告されている.さらに介入効果を社会生活能力へ般化する上で発散的思考の影響が注目されている.今回,CRTのVCAT-Jを実施したところ,認知機能の改善に伴い発散的思考の質が高まり,日常生活での行動変容を認めた事例を経験した.介入初期はゲーム課題への取り組みだけであったが,中期以降はゲーム課題から自身の記憶の苦手さを自覚し,工夫する様子が見られ,ブリッジングのグループワークで意見交換が多くなった.介入経過と介入前後の評価尺度スコア変化などから,CRTの介入効果として,認知機能の改善,発散的思考,日常生活の行動変容を認める可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人日本作業療法士協会
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