2020 年 39 巻 4 号 p. 433-441
要旨:本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟に入院中の片麻痺患者が,再び作業を獲得していく過程を主観的経験から明らかにすることである.片麻痺患者5名に対し日々の作業遂行について半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.結果,【作業の状態を把握する】,【実生活での作業遂行に階層性が生じる】,【作業を通して自分の可能性を試す】,【作業を通して学習する】,【作業に挑戦する】,【作業を回避する】,【新たな作業を選択する】の7つのカテゴリーが生成された.対象者は,作業を通して自身の可能性を試し,経験に根ざした学習を基に新たな作業を選択する過程を経ていたことが明らかとなった.