作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
原著論文
急性期病院における肺炎患者の病棟トイレ自立使用可能・不可能を判別する下肢機能評価の検証
─横断研究─
今岡 泰憲廣瀬 桃子山口 みさき天白 陽介塩津 裕康
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2020 年 39 巻 4 号 p. 442-449

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抄録

要旨:本研究の目的は,急性期病院において作業療法士が肺炎患者の病棟トイレ自立使用可能・不可能を判断する下肢機能評価のカットオフ値を算出することである.研究デザインは横断研究とした.対象は肺炎患者56名,調査項目は,SPPB,TUG,膝伸展筋力とした.結果,病棟トイレ使用可能・不可能に関連する因子としてTUGが抽出され,カットオフ値:11.8秒,AUC:0.807,感度:69.4%,特異度:89.5%であった.作業療法士は,算出されたTUGのカットオフ値:11.8秒を用いることで,観察による主観的な評価だけでなく,客観的な評価基準に基づいて,病棟トイレ自立使用可能・不可能を判断することが可能となる.

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© 2020 一般社団法人日本作業療法士協会
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