作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
脳卒中後上肢運動麻痺を呈した患者に対してADOC-Hを用いて麻痺手の使用行動に関する行動変容を段階的に進めた事例報告
川口 悠子齋藤 佑樹大野 勘太戸嶋 和也小林 由衣
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2021 年 40 巻 4 号 p. 449-456

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抄録

要旨:Aid for Decision-making in Occupation Choice for Hand(以下,ADOC-H)は麻痺手の使用場面の意思決定を促すiPadアプリケーションとして開発された.今回,麻痺手が不使用状態に陥っていた上肢運動麻痺と軽度失語症を呈した事例に対し,運動機能に応じた課題指向型訓練と併行して,ADOC-Hを使用して実生活における麻痺手の使用行動の変容を図った.介入開始時,麻痺手の日常使用について消極的な反応を示していたが,退院時には麻痺手の使用行動に関する主体的なセルフモニタリング,問題解決技能を修得した.文字とイラストを同時に示すADOC-Hが,麻痺手の使用に関する行動変容戦略を補完するためのツールとして有用であることが示唆された.

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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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